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オンラインオリパ訴訟、運営2社に仮差押えの決定 「総還元率100%」表示を巡る集団訴訟が新たな局面に

公開:2026-11-09 07:12 / 更新:2026-11-09 07:12

トレーディングカードの「オリパ」を巡り、購入者38人が運営5社を訴えた集団訴訟で、原告側代理人が「5社のうち2社について、裁判所から仮差押えの決定を得ている」と明らかにした。「総還元率100%」といった表示の誇大広告性が争点で、原告側には1万7,000件の相談が寄せられているという。運営側は違法性を否定し、争う姿勢を示している。

運営2社に仮差押えの決定

オンラインオリパの購入者らが運営会社を訴えた訴訟で、新たな動きがあった。原告代理人を務める西川研一弁護士(弁護士法人・響)が東京商工リサーチ(TSR)のインタビューに応じ、「すでに今回提訴した運営5社のうち2社で、裁判所から仮差押の決定を得ている」と明らかにした。西川弁護士は今後について、民事訴訟のほか刑事告訴や行政への働きかけも並行して進める考えを示している。

なお、仮差押えは判決が出る前に相手方の財産を保全するための手続きであり、この決定をもって運営側の違法性が認められたわけではない。

訴訟の概要:38人が5社を提訴、請求は約2.7億円

発端は2026年9月17日、購入者38人がオンラインオリパの販売サイトを運営する5社に対し、計約2億7,000万円の損害賠償を求めて東京地方裁判所に提訴した。原告側弁護団によると、オリパ運営業者の違法性を問う訴訟は初めてという。

原告側が問題にしているのは、各サイトの表示だ。「総還元率100%」「2分の1の確率で希少なトレカを獲得できる」といった宣伝をしながら、実際には表示ほどの確率で当選しなかったとして、特定商取引法違反(誇大広告の禁止)や景品表示法違反(優良誤認)に当たると主張している。原告らは2024年以降、各サイトで1人当たり200万〜2億円を支払ってポイントを購入し、オリパを繰り返し引いていたとされる。

弁護団が公表した対象のサービスには、「DOPA!オリパ」「オリパワン」「日本トレカセンター」「エクストレカ」「クローブオリパ」が含まれる。

原告側が問題にする「繰り返し課金」の仕組み

オンラインオリパの一般的な仕組みは、現金でポイントを購入し、そのポイントで抽選を引き、当選したカードは発送を依頼するか、再びポイントに還元して次の引く原資にする、というものだ。

西川弁護士はTSRの取材に、当選カードの価値を運営側が自社の基準で決定し、その算定根拠を開示していないこと、還元率や交換条件を支払う前に表示していないことなどを問題点として挙げた。なかには「還元率10,000%」を謳う表示もあったという。さらに、実物のカード在庫を本当に保有しているのか疑いの余地があること、カード決済の加盟店分類(MCC)を実態と異なる業種で登録し、カード会社の審査をすり抜けている疑いがあることも指摘し、今後はカード会社や決済代行業者への検証も視野に入れていると述べた。

弁護士法人・響には、10月5日までにオンラインオリパに関する相談が約1万7,000件寄せられ、申告ベースの支払総額は約159億円に達しているという。

運営側は違法性を否定

運営側は反論している。9月の提訴時の報道では、被告となった会社のうち2社が「不当表示の事実はない」「表示した内容の通りに商品の販売や管理を行っている」などと違法性を否定し、ほかの3社は回答を差し控えた。

また、TSRが提訴された5社に送った質問状に対しては、期日までに1社から回答があり、「訴状等の正式な書類を受領していない。報道されている内容や相手方の公表を前提としても、当社は関係法令に違反する運営を行っておらず、本件については相手方の主張について争う方針」としている。

経緯と周辺の動き

提訴に先立ち、弁護団は9月7日、大手7社について特定商取引法違反の疑いがあるとして消費者庁に調査を求める申出を行った。9月17日には提訴とあわせて、1社を刑事告訴したと発表している。10月には、多くのオリパでPayPay決済が使えなくなる動きがあり、各社は「障害」や「一時停止」と案内した。被告のうち2社は、利用規約を改定して未成年者の利用を一律で停止する方針を明らかにしている。

背景にあるトレカ市場の拡大

日本玩具協会によると、トレーディングカードの市場規模は昨年度3,384億円と、2015年度の3倍超に膨らんでいる。希少なカードが1枚1,000万円以上の高値で取引されるケースもあり、その人気を背景にオンラインオリパが急拡大した。一方で、実効的な規制や監督の仕組みがないまま市場が膨らんだことが、今回のトラブルの土壌になったとの指摘もある。

現時点で確定していないこと

訴訟は始まったばかりで、判決は出ていない。表示が違法だったかどうか、損害賠償が認められるかどうかは、今後の裁判で争われる。利用者側としては、確率や還元率の表示に算定根拠があるか、運営会社の所在地や連絡先が明記されているか、返金の規約はどうなっているかを確認することが、トラブル回避の第一歩になる。

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▼ 確認できた事実

・9月17日:購入者38人が運営5社を東京地裁に提訴、請求は計約2億7,000万円
・原告側の主張:「総還元率100%」「2分の1の確率で希少カード」等の表示が誇大広告・優良誤認に当たる
・原告代理人によると、5社のうち2社で裁判所から仮差押えの決定を取得
・弁護士法人・響への相談は約1.7万件、申告ベースの支払総額は約159億円(10月5日時点)
・運営側は違法性を否定し「争う方針」
・仮差押えは財産保全の手続きで、違法性が確定したわけではない

▼ 今後の焦点

仮差押えの決定が出たことで訴訟は新たな局面に入ったが、違法性の有無は未確定。原告側は刑事告訴や行政への働きかけも並行する方針で、決済事業者側の対応も含めて波紋が広がる可能性がある。

出典:東京商工リサーチ/時事通信/朝日新聞 ほか

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